デザフェス2日目。今日も開場前に入ろうと思いつつ、家でボヤボヤしていたら少々遅れた。絵描き氏は前日の徹夜準備の疲労が溜まっていたことであろう、まだ到着していない。開店は店主を待つこととして、ホールをぶらぶらと歩く。
サイエンスグッズの観点では、科学Tシャツを作っているブース。宇宙に関連するのはおおすみの図面デザイン。他はTamifluとかDIOXINとか台風進路とか、水銀フォー!だそうだ。荻村英雄さんとも再会。大学研究の方はなかなか難しいとのことであったが、“サイエンティストでアーティスト”を目指して頑張って欲しい。今回はDESIGN GARDENのプロジェクトPRでデザインTシャツを展示していた。天プラもこの仕組みを通じてデザインに織り込まれた科学を発信出来ないだろうか。シルバーやレザーでシャープなデザインのリングがあれば入手したいと思うが、と言ってアクセサリー系の店を覗くでもなく、今のところ惚れるようなものに出会っていない。仏壇師が技術を転用して作った漆塗りグッズの黒光りがアヤシイ。すてくまがラブリー。
店主の白樺兎師春氏が昼頃到着。ディスプレイに木の実や岩塩の結晶が添えられて、ブースの雰囲気は一層深まり、物語世界の森の空気を湛えるようだ。昨日よりも人出の多い日曜日、今日も前を通る客の反応は素晴らしく、「綺麗」「神秘的」と賛辞が重なって、手伝っているだけの私も喜ばしい。
今日の行動計画では、午後に一旦会場を離れることにしていた。ところがカポエイラのパフォーマンスに見入って時間を忘れている内に、予定時間を30分近く過ぎてしまった。急いでりんかい線に向かう。
* * *
国際展示場から川崎まで30分、予想外にアクセスが良かったので、アクロバティックな移動を敢行。かわさき文芸ジャンボリー『ぶんぶん!』に出展している友人を訪れる。予定では1時間くらい覗くつもりが、カポエイラに押されて終了間際僅か15分の滞在という瀬戸際振り。ホールは小ぢんまりとしてサークルも然程多くなく、一般参加者もほぼ退出後という閑散とした倦怠感。規模の大きいコミティアが文芸も受け入れ始めた今、こうした零細イベントの役割が終わりつつあるという声にも頷けるが、より大きく賑わいのあるイベントであっても、出品者と鑑賞者が作品を挟んでコミュニケーションする空気が、即売会では希薄に思う。イラストや立体物のように一瞬の視覚イメージから作品と向き合えるデザインイベントとの決定的な差は、その内容世界を理解するのに別途長い時間が必要だということ。
見本誌を一覧する限りは目ぼしい印象を受けなかった。表紙だけで手に取りたい本を見い出すのは難しい。文芸側の感覚にグラフィカルな印象への配慮が乏しいのか、装丁にまで力が篭っているものの方が少ない。もっとその力を重要視したらどうか。或いは、背を向けるのが美学なのか。白紙に題字だけを打ったお座成りな表紙、お定まりのキャラクター絵を安易に配する感性。これだけのものから作品の性質を嗅ぎ取るのは、高度に抽象化、様式化された文法を共有せずには果たせまい。いっそ能や狂言のような世界なのではあるまいか、そう言えば、華も実もある芸能に失礼だろう。
自身文字を綴ってきた者として省みるのはタイトルの難しさ。思わせ振りな言葉は本人にとってのみ荘重な含蓄を持ち、端から見れば酷く野暮ったい。一文字にまで世界を象徴させ弛緩しない言葉を吟味するには、コピーの感覚が必要だ。
蜜丸氏の新作は、前作までの日常短編から変わって南国ファンタジーと聞いている。装丁も思うように作れるようになってきたと言い、「今回は力作なので是非読んで欲しい」という内容に期待。
その後、軽食を共にしながら少し歓談。多忙もあり随分久し振りだ。「何をしたいかより何が出来るかを考えろ」と諭される。以前別の人には「何が出来るかより何をしたいか」と唆されたが、なかなかそんなジャンプは出来ない。
* * *
川崎からとんぼ返りでビッグサイトに帰還。やはりこちらの方が気持ち良い。見るべき作品はコミケやコミティアの中にもあるとしても、商売と消費の間に饐えた閉塞が漂う即売会より断然デザフェス。文化祭の開放感に創造の悦びが満ちている。見る側と見られる側がオープンな気分を共有している。内向した消費行動ではなく、コミュニケーションが存在する。ギスギスした統制を敷かずとも混乱の無い緩やかな平和。参加者が謳歌する自律と自由。これだけ大らかなイベントは、今この国では貴重なのではないか。この雰囲気が何時までも損なわれなければいい。
それにしても、今日は暑い。空気の流れがあるホール出入口付近は過ごし易いが、少し内側に入ったブースの並びは熱気の吹き溜まりのように茹だってくる。寝言堂で団扇に題字でも書いてもらおうと思ったが、気の利いた言葉が思い付かず断念。ウロウロしていると聴こえて来た音に引き寄せられて、三味線演奏を囲む。
夕刻、sora氏夫妻が到着。何かお勧めのブースは、と訪ねられて、とりあえずオレパンダーを進めておく。グッズを買うのはまだ踏み止まっているが、時間の問題の気がする。あのコピーは堪らない。そう言えば、今回はなんと2匹になっていた。
アートシーンへの感覚の鋭い氏には一度このイベントを見せたいと思っていた。1時間ばかりでは広い会場を廻り切るにはあまりにも短く悔やんでおられたが、それでも多くの刺激を受けた模様。
19時、緩やかにフェスティヴァルは終了。最後の売り切りに入ったフードを買い込み、ブース前に座り込んで皆で夕食。カスタードケーキの叩き売りが会場を巡っていく。周囲が片付けに入る中、即売会の殺伐さとは何処までも無縁の空気の余韻をのんびりと楽しんでいたら、何時の間にか周りのブースは引き払って業者の撤収作業が始まった。慌てて絵を仕舞い、パイプの壁を解体して、バタバタと荷造り。国際展示場を後にしたのは、実に21時になろうとする頃。絵描き氏の家まで大荷物を運び込み、昼とは打って変わって涼しい夜気の中を解散。
最早病み付きのDesign Festa、次回以降も万難を排してスケジュールを開けねばならぬ。
『四次元機関舎|DESIGN FESTA』
* * *
二つのイベントを飛び回った一日。創造を通じて人が向き合う場所、そこに満ちる刺激に浸されると、何かせずには居られない。他人の創作の協同も進めたいが、やはり自分の中から迸るモチベーションを高めたい。何かをやりたい、で留まらず、手を動かして何かをすることがスタートラインだ。






サイエンスグッズの観点では、科学Tシャツを作っているブース。宇宙に関連するのはおおすみの図面デザイン。他はTamifluとかDIOXINとか台風進路とか、水銀フォー!だそうだ。荻村英雄さんとも再会。大学研究の方はなかなか難しいとのことであったが、“サイエンティストでアーティスト”を目指して頑張って欲しい。今回はDESIGN GARDENのプロジェクトPRでデザインTシャツを展示していた。天プラもこの仕組みを通じてデザインに織り込まれた科学を発信出来ないだろうか。シルバーやレザーでシャープなデザインのリングがあれば入手したいと思うが、と言ってアクセサリー系の店を覗くでもなく、今のところ惚れるようなものに出会っていない。仏壇師が技術を転用して作った漆塗りグッズの黒光りがアヤシイ。すてくまがラブリー。
店主の白樺兎師春氏が昼頃到着。ディスプレイに木の実や岩塩の結晶が添えられて、ブースの雰囲気は一層深まり、物語世界の森の空気を湛えるようだ。昨日よりも人出の多い日曜日、今日も前を通る客の反応は素晴らしく、「綺麗」「神秘的」と賛辞が重なって、手伝っているだけの私も喜ばしい。
今日の行動計画では、午後に一旦会場を離れることにしていた。ところがカポエイラのパフォーマンスに見入って時間を忘れている内に、予定時間を30分近く過ぎてしまった。急いでりんかい線に向かう。
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国際展示場から川崎まで30分、予想外にアクセスが良かったので、アクロバティックな移動を敢行。かわさき文芸ジャンボリー『ぶんぶん!』に出展している友人を訪れる。予定では1時間くらい覗くつもりが、カポエイラに押されて終了間際僅か15分の滞在という瀬戸際振り。ホールは小ぢんまりとしてサークルも然程多くなく、一般参加者もほぼ退出後という閑散とした倦怠感。規模の大きいコミティアが文芸も受け入れ始めた今、こうした零細イベントの役割が終わりつつあるという声にも頷けるが、より大きく賑わいのあるイベントであっても、出品者と鑑賞者が作品を挟んでコミュニケーションする空気が、即売会では希薄に思う。イラストや立体物のように一瞬の視覚イメージから作品と向き合えるデザインイベントとの決定的な差は、その内容世界を理解するのに別途長い時間が必要だということ。
見本誌を一覧する限りは目ぼしい印象を受けなかった。表紙だけで手に取りたい本を見い出すのは難しい。文芸側の感覚にグラフィカルな印象への配慮が乏しいのか、装丁にまで力が篭っているものの方が少ない。もっとその力を重要視したらどうか。或いは、背を向けるのが美学なのか。白紙に題字だけを打ったお座成りな表紙、お定まりのキャラクター絵を安易に配する感性。これだけのものから作品の性質を嗅ぎ取るのは、高度に抽象化、様式化された文法を共有せずには果たせまい。いっそ能や狂言のような世界なのではあるまいか、そう言えば、華も実もある芸能に失礼だろう。
自身文字を綴ってきた者として省みるのはタイトルの難しさ。思わせ振りな言葉は本人にとってのみ荘重な含蓄を持ち、端から見れば酷く野暮ったい。一文字にまで世界を象徴させ弛緩しない言葉を吟味するには、コピーの感覚が必要だ。
蜜丸氏の新作は、前作までの日常短編から変わって南国ファンタジーと聞いている。装丁も思うように作れるようになってきたと言い、「今回は力作なので是非読んで欲しい」という内容に期待。
その後、軽食を共にしながら少し歓談。多忙もあり随分久し振りだ。「何をしたいかより何が出来るかを考えろ」と諭される。以前別の人には「何が出来るかより何をしたいか」と唆されたが、なかなかそんなジャンプは出来ない。
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川崎からとんぼ返りでビッグサイトに帰還。やはりこちらの方が気持ち良い。見るべき作品はコミケやコミティアの中にもあるとしても、商売と消費の間に饐えた閉塞が漂う即売会より断然デザフェス。文化祭の開放感に創造の悦びが満ちている。見る側と見られる側がオープンな気分を共有している。内向した消費行動ではなく、コミュニケーションが存在する。ギスギスした統制を敷かずとも混乱の無い緩やかな平和。参加者が謳歌する自律と自由。これだけ大らかなイベントは、今この国では貴重なのではないか。この雰囲気が何時までも損なわれなければいい。
それにしても、今日は暑い。空気の流れがあるホール出入口付近は過ごし易いが、少し内側に入ったブースの並びは熱気の吹き溜まりのように茹だってくる。寝言堂で団扇に題字でも書いてもらおうと思ったが、気の利いた言葉が思い付かず断念。ウロウロしていると聴こえて来た音に引き寄せられて、三味線演奏を囲む。
夕刻、sora氏夫妻が到着。何かお勧めのブースは、と訪ねられて、とりあえずオレパンダーを進めておく。グッズを買うのはまだ踏み止まっているが、時間の問題の気がする。あのコピーは堪らない。そう言えば、今回はなんと2匹になっていた。
アートシーンへの感覚の鋭い氏には一度このイベントを見せたいと思っていた。1時間ばかりでは広い会場を廻り切るにはあまりにも短く悔やんでおられたが、それでも多くの刺激を受けた模様。
19時、緩やかにフェスティヴァルは終了。最後の売り切りに入ったフードを買い込み、ブース前に座り込んで皆で夕食。カスタードケーキの叩き売りが会場を巡っていく。周囲が片付けに入る中、即売会の殺伐さとは何処までも無縁の空気の余韻をのんびりと楽しんでいたら、何時の間にか周りのブースは引き払って業者の撤収作業が始まった。慌てて絵を仕舞い、パイプの壁を解体して、バタバタと荷造り。国際展示場を後にしたのは、実に21時になろうとする頃。絵描き氏の家まで大荷物を運び込み、昼とは打って変わって涼しい夜気の中を解散。
最早病み付きのDesign Festa、次回以降も万難を排してスケジュールを開けねばならぬ。
『四次元機関舎|DESIGN FESTA』
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二つのイベントを飛び回った一日。創造を通じて人が向き合う場所、そこに満ちる刺激に浸されると、何かせずには居られない。他人の創作の協同も進めたいが、やはり自分の中から迸るモチベーションを高めたい。何かをやりたい、で留まらず、手を動かして何かをすることがスタートラインだ。






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